「いつか良くなる」そんな甘いことを思っていた…
「いつか良くなる」という言葉は、なんて悪魔的な言葉なのだろうかと感じています。
まさに「時間こそが全てを解決してくれる」という、魔法みたいなことを言わんとしていますよね。
ご相談いただく親御さんとのかかわりの中で、このような期待を、ただ漠然と思っている親御さんが実に多いことも実感しています。
ただ、僕自身の「精神的ひきこもり」の当事者経験と、そこからの脱却してきた経験から、たった一つだけ紛れもない事実をお伝えすることが出来ます。
それは…
「何もしなければ、何も変わらなければ、良くなることはない」ということです。
今回は僕の当事者経験も踏まえて、「何もしないこと」のリスクを解説していきます。
「時間が解決する」は悪魔的発想
冒頭でもお伝えしましたが、「時間が解決する」という言葉は、何て便利であり恐ろしい言葉なのかと思います。
聞いてくれ、失恋したんだ…。
時間が解決してくれるよな…
こんなケースで口にする「お決まりフレーズ」なんじゃないかって思います。
ですが、この「時間が解決する」、「いつかよくなる」といったような考えを持つことについて、僕は改めて言いたいのです。
何もしない人のところには、何もやってこないのです。
- 外に気付かれないようにする親
- つまらない世間体を気にしている親
- きっといずれ良くなるだろうと放置する親
- 誰にもわからないように隠そうとしている親
- 犯罪や事件などの反社会的行動をしないか監視するだけの親
「いつか良くなるだろう…」「きっと本人が解決してくれるだろう…」という希望を持つのは大いに結構です。
ですが、何も手を打たずに、何の策も講じずして、勝手に望む姿に変わっていくなどあり得るでしょうか?
フィクションの「漫画の世界」でも起こりえないことでしょう。
何もしないのなら、何も起こらないのです。
何かをしたから、何かが起こる可能性が生まれるのです。
宝くじ1等3億円欲しいと思っていても、ただ指をくわえてゴロゴロしているだけでは絶対に3億円は手に入りませんよね。
1等3億円が欲しいと思って、実際に購入というアクションを起こした人の元にだけ、3億円の獲得権利が巡ってくるのです。
「ひきこもり」がいずれ解消できるのではと、ただ漠然と願ったり希望しているだけの状況は、なんの権利も有していないということなのです。
「ひきこもり当事者」は追い込まれている
「ひきこもり当事者」を抱えるご家族は、並々ならぬ気苦労がおありだと思います。
今日もうまく子供と関われなかった…
など、日に日に追い込まれているストレスもあることと思います。
実は、それはご家族のみならず、「ひきこもり当事者」である子供自身も同様なのです。
ひきこもり当事者である子どもは
どうしていいかわからない…。
だから、もうどうでもいい…。
と、気持ち的に追い込まれているのが大半なのです。
だから、「どうしていいかわからない…」という子どもに
お前は、いったい将来何を、どうしたいのか!?
と、聞きたいことをオブラートにも何も包まずに核心部分だけを聞くのは好ましくありません。
友人が「聞いてくれよ!面白いことがあったんだけどさー…」
と話し出すやいなや
「そんで、結局どうなったん?」
と、トークの起承転結をすっ飛ばして、すぐに話のオチを聞きにいくようなものです。
これって、コミュニケーションとしてはセンスのかけらもないですし、まさにナンセンスですよね。
だから「いきなり核心部を聞き出す」ことは、コミュニケーションにとっては好ましくないケースもあるのです。
ですが、好ましくないからといって、その関わり放棄するのは、さらに好ましくないのです。
んあ!?どっちに行ってもナンセンスってことじゃん!?
じゃあどうすればいいのサ!?
まず理解しておくことは、「ひきこもり当事者」の子どもは、
自分自身が「どうしていいのかわからない…」という暗闇のトンネルの中にいるという事です。
ただの暗闇ならまだいいでしょう。
それに加えて、考えれば考えるほど分からなくなるという「思考のドロ沼の中」でもがき苦しんでいるのです。
一人でジタバタあがいてみたところで、ドロ沼の中に引きずり込まれて行ってしまうと思っていいでしょう。
だからこそ、本心では「誰かに助けてもらいたい…」と思っているのです。
そんな状況下にいる時に…
最も近しい存在である「親」が、ドロ沼の中から引っ張り上げずして、誰が助け出すのでしょうか。
最も近しい存在である親が、
\ただの「傍観者」になっていいわけがないのです/
僕自身、「吃音」に突然陥り、他者とのかかわりをシャットアウトして自分の殻に閉じこもっていた「精神的ひきこもり」経験があります。
自分自身が選んだ「周りとのシャットアウト」ではあったものの、思考回路はグルグルするだけで、何も好転するきっかけになることはなかったのです。
「ひきこもり当事者」である子供は、周りが見るよりも精神的に追い込まれている状態にあります。
この状態を、唯一無二の「親」である存在のあなたが理解し、まずは心に留めておくだけでいいのです。
その気持ちがあるかないかで…
「時間が解決する」というような「何も生み出さない悪魔的発想」をくい止めることが出来ます。
そして、その気持ちがあることで、
「ひきこもり当事者」への適切な知識やアプローチを知るための起爆剤になるのですから。
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僕の理念でもありますが、幸せなココロの形を丸としたときに、ココロのどこかで満足できていない「欠けた部分」というのは誰しも抱えています。
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